第6.故人の免許証の返還手続
1.免許証の返納義務
免許証の権利関係については道路交通法に規定があります。
道路交通法105条は、「免許は、免許を受けた者が免許証の更新を受けなかったときは、その効力を失う」と規定し、免許が失効することを定めています。
そして、道路交通法107条は、免許が失効したときは、すみやかに、免許証を返納しなければならないと規定しています。
免許の保有者が死亡した場合には、その後、免許証の更新を受けることが不可能となりますので、明文の規定はありませんが、有効期限の経過を待たず、死亡によって当然に免許証が失効すると解釈されています。
したがって、免許証の保有者が死亡した場合には、すみやかに、警察署に免許証の返納を行う必要があります。
2.遺族の手続
警察署は、人の生死に関する情報を市役所と共有していないため、保有者が死亡した事実を知りません。
そのため、遺族は、保有者が死亡したことを証明する死亡診断書ないし死亡の事実が記載された戸籍謄本を、免許証と一緒に警察署に提出する必要があります
- 第1.死亡後に必要な届けや手続きの一覧と届出先・必要なもの
- 第10.相続に必要な出生から死亡までの戸籍謄本等の取り寄せ方
- 第11.遺産分割の全体像(遺産分割協議書の作成・法定相続分・具体的相続分・寄与分・特別受益・分割方法)
- 第12.死亡直後に問題となる故人の契約(賃貸契約・水道光熱費・クレジットカード)の相続手続・清算方法
- 第13.相続の放棄のメリット・デメリットと相続の放棄の期間・手続
- 第14.死亡した家族の所得税・相続税の申告・納税の手続
- 第15.家族が業務中に死亡した場合の労災保険の申請や損害賠償の流れ
- 第16.遺産分割協議書には何を書けばいいのか
- 第17.遺言書による名義変更・相続手続の流れ
- 第18.遺留分を裁判所で争う訴訟のポイント
- 第19.遺産分割の調停と遺産分割の前提問題に関する訴訟のポイント
- 第2.遺族が忘れずに申請しておくべき葬祭費・埋葬料・遺族年金などの手続
- 第20.遺産分割事件の長期化によるリスク
- 第21.相続時に親子関係や認知を裁判で争うポイント
- 第22.使途不明金を争う訴訟のポイント
- 第3.葬儀費用と香典で遺産相続トラブルを避けるための記録・清算のポイント
- 第4.お墓の管理と相続でトラブルにならないための2つのポイント
- 第5.葬儀費用を争う訴訟のポイント
- 第6.故人の免許証の返還手続
- 第7.遺産(不動産、保険、株式、投資信託など)の名義変更・相続手続
- 第8.遺言書の発見と確認方法
- 第9.相続権を持つ親族と相続順位