~親のために~

事例6 福祉型家族信託

(1)事例・希望

 

母が80歳となり介護も必要な状態である。現在母の意思はしっかりしている。これまでは、近隣に住む息子とその妻が身の回りの世話をしてきたが、負担が重くなってきている。母は介護施設への入居を決意し、自己の保有する資産の管理・運用を息子に託したいと考えている。
母は資産として賃貸アパートを一棟、自宅の土地・建物を有している。

 母・息子の希望としては、①母の資産管理の負担をなくすために、息子に財産の管理運用に関する権利を全て委ねたい、②母の生存中、財産の管理・運用から生じる利益は母の生活費として利用したい、というものになります。

(イラスト提供:8suke/人物イラスト館)

(2)解決方法

・信託による解決
 信託を利用することで、母・息子の希望を叶えることができます。
 信託の目的を「母の生活の安定、療養介護」とし、母が委託者となり、息子を受託者として資産を信託します。こうすることで、資産の名義は受託者である息子の名義となり、息子が当事者となって管理運用することができます。例えば、自宅の土地建物の売却や賃貸アパートの契約事務・建替え等に関して息子が母を通さず行えるようになります。こうして母が資産管理に煩わされることがなくなります。
 そして、受益者となる母の「生活の安定、療養介護」を目的としているので、息子はその他の目的で管理運用することは法的に許されず、管理運用から得た利益を母が受け取ることができます。
 信託の終了については、母の生活支援を目的とするものであるので母の死亡を事由として信託が終了します。信託終了後の信託財産については、母の相続人、本件では唯一の相続人である息子に承継されることになります。相続人が複数いて、信託終了後の財産の承継先の希望がある場合には、信託と共に公正証書遺言を利用することで、承継先を定めることができます。

(イラスト提供:8suke/人物イラスト館)

事例7 後見制度支援信託

(1)事案・希望

 

A(56歳男性)は今年80歳になる父の財産管理が必要となり、父について成年後見の申立を行った。父は母が死亡してから認知症となり、養護施設に入所している。父の資産は預貯金約1000万円で、月の収入は約10万円、支出は施設の利用料等で約8万円である。Aは高額の預貯金について管理することには不安がある。父に急な病気などで費用支出が必要なときはその都度調整したいと考えている。

(イラスト提供:8suke/人物イラスト館)

(2)解決方法

○後見制度支援信託の利用
 後見制度支援信託とは、後見に併せて利用される信託で、被後見人の財産のうち、日常的な支払いをするのに必要な財産については後見人に管理をさせ、通常使用しない財産については信託銀行などに信託するものです。
 後見制度支援信託は、家庭裁判所が後見開始の申立に併せて利用を検討すべきと判断した場合に、弁護士などの専門職後見人を選任の上、この者に信託の利用が適切かどうか調査報告させて、決定します。
 信託された財産は元本が保証され、預金保険制度の保護対象となるほか、信託財産の払い戻しや解約には家庭裁判所の指示書が必要となります

(イラスト提供:8suke/人物イラスト館)

この信託により、成年後見人の財産管理の負担の軽減を図ることができます。後見制度を補完する信託の利用方法となります。

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