NO.79 男性・相談内容:相続放棄 ⇒ 長期的な争いになった遺産分割の事例
男性
相談内容:遺産分割
・事情
本件は、調停4年審判2年 集結するまでに6年を費やした難事件でした。
依頼者Y1,2は3人兄弟でしたが、もう一人のXさんから遺産分割調停事件について申し立てられました。
父母はABが相次いで死亡したため、二人の被相続人に関する遺産分割事件を約5年経過してから、一度に処理することになりました。兄弟ながらXYの対立は深く、調停途中で刑事事件に発展する骨肉の争いとなりました。
事業承継したY1の特別受益、保険の名義変更して受益していたY2の特別受益については当方から認めていたので特に争点とはなりませんでした。
父Aは青果業を営んでいたのですがその傍ら不動産賃貸業も営み、遺産分割対象としては収益不動産が3棟と自宅、預金多数、保険、有価証券等が対象となりました。
背景に兄弟間の不仲があったために、まず分割する遺産の評価から争いとなりました。
不動産ですが、固定資産価格では当然折り合いがつかず、市場価格を模索することになりました。当方にて不動産業者の精密な査定書を取り寄せましたが同意を得られず鑑定費用約200万円かけて鑑定を実施しました。不動産については鑑定価格で折り合いがつきました。
しかし、収益不動産の収益価格については相続発生から約5年ほど経過調停審判も5,6年経過していたために収益金額について争点となりました。当方は出来るだけ税理士から元資料を提出して疎明して何とか折り合いを付けました。
<分割方法>
しかし、分割方法巡って対立が激化しました。収益不動産3棟は場所がそれぞれ違い現物を分割することも困難な立地でした。
最終的にはY1,2が不動産を取得したのですが、ここに至るまで7,8案提出し折り合いを目指しました。
・経過と結論
最終的に当方が不動産や預金保険等を取得し、Xに代償金を8000万円支払うコトになりましたが、ここに至るまで代償金額がなかなかまとまりませんでした。
Xからは心当たりのないことばかり主張され、これに対応するだけでかなりの時間を費やしました。
・今回の解決事例のポイント
これだけ長期的な争いとなると依頼者様が心が折れる状態になることが多いです。弁護士としては、依頼者の気持ちをくみ取ってメンタルについてもフォローしつつ、調和点を見いだすことに努めました。
とにかく最長事件でしたので我慢強く付かず離れず相手方とも何とか折り合いを付けることに腐心しました。
子供らが骨肉の争いをする悲しい事態を防止するためにも事前の相続対策をされることをお進めします。
是非一度ご相談ください。
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