NO.10 女性2名・相談内容:遺産相続(遺産分割、特別受益、寄与分) ⇒ ほぼ法定相続分通りの遺産の取得

依頼者:女性2名

相談内容:遺産相続(遺産分割請求、特別受益、寄与分)

・事情

  相談者達は、3人姉妹の次女と三女の子供(代襲相続人)です。その3人姉妹のお父様がお亡くなり、相続が発生することになりました。お父様は、長女と同居しており、農園を営んでおられましたが、お父様の死亡後は耕作がなされず、放置されているような状況でした。

  遺産としては、農園の土地の他に預金があり、その相続について話し合いがもたれることになりました。その話し合いの場で、長女は、相談者らに対してが、次のような話(提案)をしてきました。

  ・長女が家督を相続する。

  ・相談者たちには各自100万円を渡し、その他は放棄する。

 長女の提案は、これを了承するか否かというものであって、話し合いということからは程遠い態度でした。依頼者達は、この長女の話を聞いて、法定相続分より自分の取り分が少なくなっても構わないが、適正な分割をしてもらいたいと思い、当事務所に相談に来られました。

・経過と結論

 弁護士が依頼者達から話を聞いてみると、もともと長女と相続発生前から折り合いが悪く、当事者間では話し合いにならないということがわかってきました。そこで、弁護士は調停の申し立てをしました。

 そうすると、長女の側にも弁護士が付くことになり、次女と三女については特別受益を、長女については寄与分を主張してきました。つまり、

 ・次女と三女は結婚した時に嫁入り道具の購入などを受けている=特別受益

 ・長女はお父様の農園を手伝ってきた=寄与分

というものです。

特別受益の主張に対しては、「婚姻」の贈与を特別受益として認めている趣旨から考えると、儀礼的な婚姻祝い金や結婚式の費用等は特別受益にあたらないと反論しました。また代襲相続人が、特別受益分を持ち戻す義務を負うのかという問題があり、判例を元に反論を加えました。

次に寄与分の主張に対しては、寄与の明細を明らかにするように求めました。

その一方で、当方からも、長女がお父様の死亡後に父親名義の車を売却していたことを指摘しました。

こうした反論と主張を加えていった結果、長女側の譲歩を生み出す事ができ、ほぼ法定相続分通りの遺産を相談者達が取得できました。具体的には、土地の名義も相談者達が取得することになりました。

・今回の解決事例のポイント

 遺産分割の問題では、「特別受益合戦」とも言えるような過去の贈与についての主張合戦となることがあります(「私はもらっていないのに、相手方は●●をもらった!」、「いや、そちらこそ××をもらっていた!」など)。このようなことになると、事件の本筋を見失う事になり、かえって長期化したり混迷を極めることになります。

 当事者同士の話し合いだと、「特別受益」や「寄与分」という言葉が先行してしまい、その主張に躍起になってしまうことから混乱を引き起こしてしまっているのだと思います。

 こうした制度がどのような目的で制定されているのか、どのように使うべきとされているのかということをきちんと知ることが重要です(裁判等になっても、ただやみくもに主張しても聞く耳を持ってもらえません。)。

 今回、当方から特別受益の本来の趣旨を的確に示す事で、そうした事態に陥ることを未然に防止し、妥当な結論を導くことができました。

 

 また、今回は代襲相続人が特別受益を持ち戻す義務を負うのか、という非常に難しい問題も含んでいました。

 相続は身近でありながら、実は難しい問題をはらんでいることがよくあります。現在、問題になっている方はもちろん、これから相続を考えようと言う方も、相続になった場合の危険性を知っておく意味で、専門家に一度ご相談されることをお勧めします。

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黒田 充宏

大阪府大阪市生まれ。総合ゼネコン勤務後、司法書士合格後 司法書士事務所勤務を経て、司法試験合格。東大阪と奈良に拠点を構え、地域密着型で相続案件のサポートにあたっている。相続案件の解決指針として、人間関係に配慮し、被相続人の意思を尊重することをモットーとしている。
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