法定相続とは

法定相続とは

「Aさんは、お父さん、お母さん、妻、子ども2人の6人家族です。交通事故により、Aさんが遺言を残さずに亡くなりました。Aさんの財産はどのように相続されるでしょうか。」

 

 

 

法定相続とは

ある人が亡くなった場合に、亡くなった方の財産が残された方々に承継されることを、「相続」といいます。

 

そして、遺言書がある場合は、原則、遺言書の内容に従って相続されます。一方、遺言書がない場合は、民法の規定に従って相続されます。これを「法定相続」といいます。また、相続人全員で協議して財産を分けることもできます。この相続人による協議を「遺産分割協議」といいます。

 

相続財産の範囲

相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します(民法896条)。具体的には、不動産や預貯金の様な物権や債権のみならず、借金等の債務も相続することとなります。

 

ただし、被相続人にのみ帰属する性質を有する権利義務(一身専属権)については、相続財産に含まれません(同条但書)。たとえば、生活保護の受給権、扶養請求権、組合契約における組合員の地位、雇用契約における使用者・被用者の地位等は、原則として相続財産に含まれません。もっとも、扶養請求権に関しては、判例上、被相続人が請求の意思表示をした後に死亡した場合、具体的に発生したものとして相続できるとされています。

 

このように、一身専属権に該当する権利義務でも相続できる可能性もありますので、弁護士等の専門家に相談したうえで判断することをお勧めします。

 

法定相続人

亡くなった方を「被相続人」といい、財産を承継する方を「相続人」といいます。そして、民法で定められている相続人のことを「法定相続人」と言います。

 

配偶者は常に法定相続人となります(民法890条)。そして、配偶者以外の法定相続人については相続順位が定められています。相続順位が高い人が法定相続人となり、同順位の人が複数いる場合は、全員が相続人となります。また、先順位の人が1人でもいる場合は、後順位の人は相続人になれません。相続順位については、下記の通りとなります。

 

<法定相続人の相続順位>

 

 

代襲相続人

被相続人の死亡より前に、法定相続人である子や兄弟姉妹が死亡していた場合、その直系卑属が相続財産を受け継ぐこととなります。この、法定相続人に代わって被相続人の財産を相続する人を、「代襲相続人」といいます。

 

孫が死亡している場合はひ孫が、兄弟姉妹が死亡している場合は甥や姪が、それぞれ代襲相続することができます。ただし、甥や姪が死亡している場合、その甥や姪の子には代襲相続はできません。

 

注意が必要な点としては、「相続欠格」・「廃除」により相続権を失った場合には、代襲相続により下の世代に相続権が移ります。しかし、相続人となるはずの人が「相続放棄」した場合には、代襲相続により相続権が移ることはありません。

 

法定相続分

「相続分」とは、相続人が複数人いる場合に、各相続人が相続財産を承継する割合をいいます。遺言などにより相続分の指定がされていない場合には、以下のとおり、民法900条各号に規定されている「法定相続分」に従って各相続人が相続財産を承継します。

 

事例の処理

それでは、上記の事例において、Aさんの相続財産は、どなたが、どのような割合で相続することとなるでしょうか。

 

まず、Aさんには、配偶者と子がいますので、相続人は、配偶者である妻と、2人の子となります(民法890条、887条1項)。

 

次に、Aさんは遺言を残さず死亡していますので、法定相続分により相続されます。

そして、配偶者と子がいる場合、相続分は二分の一ずつとなります(民法900条1号)。また、子が複数人いる場合には、各自の相続分は等しいものとされますので(同条4号)、2人の子の相続分は、それぞれ四分の一ずつとなります。

 

したがって、Aさんの相続財産は、妻が二分の一、2人の子がそれぞれ四分の一ずつ相続することとなります。

 

弁護士によるサポート

相続に関しては、ご家族の方が亡くなった後、悲しみの癒えない最中に、遺産分割協議や相続税の申告等の専門的な手続をせねばなりません。精神的にも肉体的にも困難な時期に、これらの手続を適当に終えてしまうと、後々になって大変な損害を生じたり、相続争いに発展することが往々にして見受けられます。

 

当事務所は、相続に関して多くの実績がございます。相続人の方々がご納得いただく形で、最良の解決をさせていただくために、全力でサポートさせて頂きます。初回の相談料は無料となっておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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