第23.生命保険金

1.問題になる場合

 生命保険請求権は、保険金受取人がどのように定められているかによって、遺産分割の対象となるか否かが異なります。

 

例えば、保険金受取人が「被保険者死亡の場合はその相続人」というように特定人の氏名を挙げることなく抽象的に指定されている場合や、「被保険者死亡の場合は共同相続人の1人甲」というように特定の氏名を挙げて具体的に指定されている場合においては、生命保険金請求権は、保険契約の効力発生と同時に相続人となる者の固有財産となります。そのため、生命保険請求権は、被保険者の遺産より分離しているものというべきであり、遺産分割の対象とはなりません。

 

一方、保険金受取人が被相続人に指定されている場合には、生命保険金請求権は遺産となり、遺産分割の対象となります。

 

また、生命保険金請求権が相続人の固有財産となる場合は、被保険者から、承継取得するわけではなく、被相続人の財産に属していたとはいえないため、相続人がこれを取得しても民法903条1項に規定する遺贈または贈与に係る財産にはあたりません。

 

もっとも、生命保険金請求権が特定人に取得され、共同相続人間で生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情がある場合には、同条の類推適用により、当該生命保険金請求権は特別受益に準じて持戻しの対象となります。

 

2.対応方法

 生命保険金請求権は、保険金受取人が被相続人である場合を除いては、遺産分割の対象とはなりません。そのため、これを争点として取り上げることはできません。

 

 ただし、共同相続人の一部の者が生命保険金を取得する場合において、保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が著しいときは、生命保険金請求権が特別受益に準じて持戻しの対象となるため、このような場合には、特段の事情の存否を確認する必要があります。

 

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