NO.93 男性・相談内容:遺産分割 ⇒他の相続人からの代償金請求を低廉に抑えた事例
男性
遺産分割
・事情
依頼者は、被相続人の生前に、被相続人から不動産を購入していたところ、その購入代金が安いということで、本来的な対価との差額を持ち戻すようにと他の相続人から求められました。また、被相続人の財産管理を依頼者が行っていたところ、他の相続人から預金の使途を問い合わせされ、これに対する根拠のある説明をする必要がありました。相手たる他の相続人が弁護士に依頼したため、依頼者も当事務所にご依頼いただき、交渉等を委ねられました。
・結果
預金の使途の説明については、様々な資料を付けつつ、時系列に沿って詳細に説明していきました。この説明もあって相手にはご納得いただけたと思います。依頼者が購入した不動産については、その価値が適正なものであったことを、周辺の事情とあわせて説明し、依頼者が決して不当に安く不動産を取得したわけではないことを丁寧に説明しました。説明が尽くされたうえで、双方が希望する示談金額を提示し合い、その差の範囲内で最終的には、こちらの言う金額にできるだけ近い数値で折り合いをつけることができました。
・解決ポイント
財産の移動に関する説明は、家事事件ではよく問題になります。説明をするに際しては、どういう資料を用意すべきか、またどのような観点から説明すべきかが重要になります。今回は、被相続人の預金の使途が、相続人全員にとって意味のある支出であるという観点、また被相続人から購入した不動産の対価が決して不当なものではないとの観点から説明を行いました。闇雲に資料を提示するだけでは相手は納得してくれず、納得してもらうためには粘り強い主張立証活動が求められます。遺産問題に限らず家事事件の中で、金銭面で揉め事が生じた場合には、説明を尽くせば着地点を見出すことができることもありますので、ぜひできるだけの資料を揃えて当事務所までご相談いただけますと幸いです。
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