NO.50 男性(80歳)・相談内容:財産管理契約、任意後見契約、死後事務委任契約、遺言書作成 ⇒ すべて公正証書を作成
男性(80歳)
相談内容:財産管理契約、任意後見契約、死後事務委任契約、遺言書作成
・事情
マンション経営をおこなっているTさんには配偶者や子供がおらず、弟が1名いるだけでした。結婚したことはありませんでしたが、内縁の妻としてSさんと共に生活し、Sさんに生活の世話をして貰っていました。弟さんは精神病で入院しておりTさんは弟に世話になることは出来ない状況でした。 Tさんも80歳を過ぎ、物忘れも増えてきました。また、Tさんは将来自分が痴呆症にでもなればどうやってマンションの管理や身の回りを世話をしてもらおうか悩んでおり、当事務所に相談に来られました。
・経過と結論
Tさんは従前から内縁の妻Sさんに世話になりたいと考えていたのですが、婚姻していないだけに通常の法定後見を申立ててもSさんが後見人に選任されるとは限らない状況でした。また、財産が多額だけに専門職である弁護士が後見人に付く可能性が高い事案でした。 Tさんの願いとしては終生Sさんに面倒をみてもらい。自分が死亡したときには葬儀 納骨なども執り行って貰いたいと考えていました。また、自分の唯一の血縁である弟の面倒もSさんに見てもらいたいと考えていました。その代わり、Tさんが死亡した場合には財産をSさんに譲りたいという気持ちでした。
・今回の解決事例のポイント
弊事務所ではTさんの意思を最大限尊重し、かつ現状の看護状態を継続すべく、Tさんが認知症になるまでは財産管理委任契約を締結、認知症になった後のために任意後見契約を締結、さらにTさんが死亡したときの事務のために死後事務委任契約を締結、そして、Tさんの最後の意思を実現すべく、Tさんの財産をSさんに遺贈する遺言を作成し全て公正証書作成しました。 Tさんは身寄りに頼りになる人がいなかったのですがようやくほっと出来ました。 また、Sさんも内縁の夫であるため法的に看護する根拠がなかったのですが、上記により財産管理等の権限が出来法的に根拠ある財産管理ができるようになり、一安心できました。 支え合いながら公証役場を後にする老夫婦の後ろ姿が心に残る事件でした。